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世紀の大発見『オレキシン』とは?ラスカー賞・柳沢教授に聞く“睡眠”のあれこれ【報道ステーション】(2026年9月10日)

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조회수 6,896회 · 좋아요 230 · 참여율 3.34% · 2026-09-10 📊 채널 정보 보기 ▶ 유튜브

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世紀の大発見『オレキシン』とは?ラスカー賞・柳沢教授に聞く“睡眠”のあれこれ【報道ステーション】(2026年9月10日)
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睡眠研究の第一人者、筑波大学の柳沢正史教授が、アメリカの最も権威ある医学賞で“ノーベル賞の登竜門”と言われる『ラスカー賞』を受賞し、10日に会見を行いました。

■ラスカー賞 柳沢教授が会見

脳に関わる研究の中では長らく“本流”と位置付けられていなかった『睡眠』の分野。歴史的な快挙となりました。

筑波大学 柳沢正史教授
「睡眠の基礎研究という研究領域そのものが、このような形で脚光を浴びることになったことを非常に喜んでいます。私の知る限り、本当の意味でのプレスティジアス(権威のある)な学術賞は、この領域にはおりてないと思います」

遡ること28年。当時、テキサス大学にいた柳沢さんは、動物の脳内から新たな物質を発見し『オレキシン』と名付けます。ただし、当初は睡眠ではなく、食欲と関係のある物質だと考えていました。

筑波大学 柳沢正史教授
「ラットの脳に新しく見つかった物質を注射すると、その直後たくさん食べることが分かりました。名前の『オレキシン』というのも、ギリシャ語の『オレキシス』が“食欲”という意味」

ところが、研究を進めるうち、オレキシンを欠乏させたマウスは突然、眠りに落ちることに気が付きます。そこから、オレキシンの欠乏が強い眠気を引き起こす睡眠障害『ナルコレプシー』の原因だと突き止めました。

今回のラスカー賞は、その成果に対してのもの。研究は、不眠症や過眠症の新しい治療薬の開発にもつながっています。

筑波大学 柳沢正史教授
「そんなことを最初から予測できるわけがない。30年近くかかっているわけで。研究というのはそういうもの。だから基礎研究の中でもそういう探索研究、どこへ行くかよく分からないでやるような研究が、日本だけでなく世界的にディスカレッジ(軽視)されていて、それが続くと何も起こらなくなります」
(Q.今回の受賞がどんな変化をもたらすことを期待するか)
「睡眠は単に脳が休んでいるだけでなく、非常に重要なことが睡眠中に起こっている。専門家の常識と市井の慣習があまりにもかけ離れている。それを何とかギャップを埋めていきたい」

会見を終え、部屋に戻った柳沢さん。こんなことを聞いてみました。

筑波大学 柳沢正史教授
(Q.受賞決まって昨日は寝られた)
「普通に寝られましたよ。寝ていないとダメなんです。自分の脳のパフォーマンスが低下するのが分かるので、それを自覚するのが大事。自覚すれば日本人の睡眠不足は解消されると思う」

■世紀の大発見『オレキシン』

筑波大学の柳沢正史教授に来ていただいています。

(Q.睡眠に関わるオレキシンという物質を発見してから、30年近く経ってからの受賞となりました。率直な気持ちをお聞かせください)

筑波大学 柳沢正史教授
「日本だけでなくアメリカでも、この30年の間に社会的にも睡眠というものが、より注目されるようになったことが1つ。それから、製薬企業の研究者の方々の本当に功績が大きくて、我々の発見をもとにして、彼らが薬を作ってくださった。オレキシンの働きを抑えて睡眠に導く方の薬と、オレキシンの働きを助けて起こす方の薬、後者はごく最近に承認されましたが、両方が薬になった。そういうことも大きかったと思います」

(Q.研究の分野、そして創薬の分野、一丸となっての受賞なのですね)

筑波大学 柳沢正史教授
「そうですね。睡眠の基礎研究という分野そのものが日の目を浴びたというか、分野への受賞だと思っております」

改めて、ラスカー賞を受賞した柳沢教授の研究ですが、脳で作られるオレキシンという物質が、人を覚醒させ続ける作用があることを突き止めました。それが睡眠障害の治療薬にもつながっています。例えば多くの人が悩む不眠症についても、オレキシンの特性を活かした新たな睡眠薬が開発されています。

(Q.オレキシンの覚醒作用と睡眠はどう関係していますか)

筑波大学 柳沢正史教授
「私はよく“ししおどし”に例えた説明をします。竹の筒が上向いている状態が覚醒、下向いている状態が睡眠というスイッチが我々の脳の中にあります。起きている時はオレキシンが重りとして働いて、状態を安定化させています。ししおどしですので、眠気がだんだん竹の筒の中にたまっていく。重くなって、眠いから寝ようとなると、オレキシンがなくなって眠りに落ちます。そうすると眠気がゆっくり流れて、ほぼ空っぽになると、またパタンと起きるわけですね。そうするとオレキシンがまた働いて覚醒を安定化させる。これがオレキシンの働きの原理です。眠気のもとがたまっていっても、オレキシンがあるうちは眠らないわけです。色々条件が整って寝ようとなる。その眠るという意思も大事ですが、そうするとオレキシンがなくなって眠ります」

(Q.オレキシンが全然作用しない、ないとどうなってしまいますか)

筑波大学 柳沢正史教授
「それがまさにナルコレプシーという病気の患者の状態です。オレキシンがなくなってしまうと、重しがないので、ししおどしがすごく不安定で、いきなり眠りに落ちてしまう。健常人ではあり得ないようなシチュエーションでいきなり眠りに落ちてしまう。“レム脱力”と言いますが、いきなりレム睡眠用の状態になって体の力が抜けてしまう。この発作の時、意識はなくなりませんが、体の力が抜けてしまう。それとは別に、いきなり居眠りしてしまう。これはいきなりノンレム睡眠に入ってくる。そういう2つの種類の発作が起こってしまうのがナルコレプシー。まさにししおどしが不安定になっていて、覚醒が正しく保てない疾患ということになります」

(Q.不眠症の場合は、オレキシンはどう関わってきますか)

筑波大学 柳沢正史教授
「不眠症はすごく難しい病気で、一人ひとり患者さんによって状態が色々違いますが、よく言われるのが『過覚醒』です。オレキシンが効き過ぎていて、ししおどしが動かない、眠りに落ちることができない状態を持っている患者さんもたくさんいます。そういう方は、オレキシン拮抗薬によってオレキシンをブロックすることによって、眠気ががたまっていれば眠れるようになるという原理です。睡眠を強制的に誘導するのが従来の睡眠薬でしたが、オレキシン拮抗薬は、覚醒を安定化させているオレキシンの働きを取り除くことによって、結果として睡眠をもたらす。そこが違います」


■睡眠のあれこれ…徹底解説

(Q.自分に必要な睡眠時間はどのように知ることができますか)

筑波大学 柳沢正史教授
「1つやり方がありまして。できれば4日間続けて、誰にも起こされないで、眠れるだけ眠れる環境を、もし持つことができれば、この実験をぜひやってほしいです。日本人の働き世代とか中学生、高校生は多くの方が寝不足ですので、1晩目は、人によっては10~12時間とか、ものすごく長く眠ります。もう眠れるだけ眠ってください。これ以上無理といったら起きて。次の日も同じように眠れるだけ眠ります。ところが2日目は1晩目ほどは眠れません。寝足りてるから。要するに今までの借金を一部返せてるから。続けると大体3晩目4晩目ぐらいで安定、落ち着いてきます。その落ち着き先が、あなたにとって必要十分な睡眠量です。この実験をしていただく時にぜひ、寝足りるだけ寝た時の爽快感というか、自分の脳のパフォーマンスとか、テンションの高さなどを味わっていただきたい。それがあなたの本来の姿です」

(Q.多くは7時間程度が平均的な時間になりますか)

筑波大学 柳沢正史教授
「年齢によっても違います。例えば同じ大人でも、20歳の平均必要睡眠時間は8時間20分とか8時間半とか言われています。ものすごく長いです。多くの方にとって自分が思っているように長めです。高齢70歳ぐらいになると、平均値として6時間半とか、かなり短くなります」

(Q.なぜ夢を見るのでしょうか。見るのは良いことですか悪いことですか)

筑波大学 柳沢正史教授
「夢というのは日常、我々が起きている間に経験しているイベントとか出来事が、眠っている間に頭の中でリプレイされます。そういう現象が知られています。それの一部が夢として自覚される状態です。特に鮮明なストーリーのある夢とか、感情を伴う夢、鮮明な夢というのは大体、レム睡眠という夢見の睡眠の時に見ます。レム睡眠の時というのは同時に忘却の作用も働くので、実はほとんどの夢は私たちは覚えていません。一晩に必ず数回は夢を見ていますが、覚えていません。ところが、たまたまレムから直接起きるとかすると、覚えてることがあります。色んな調査によると、覚えてる夢の8割方は嫌な夢、ネガティブな夢です。心理学者の方々に言わせると、嫌な夢とかストレスフルな夢というのは、現実に起こり得るストレスフルなシチュエーションを夢の中で予行演習していると。それでもう動じなくなると。だから嫌な夢を見たら『俺はこれでストレス耐性がついた』『夢で良かったな』と思っていただければ。悪い夢を見ることそのものは決して悪いことではないということです」

(Q.ここまで世界的権威がある賞を受賞される先生が、よくメディアなどに出て活発に活動されている理由は何ですか)

筑波大学 柳沢正史教授
「こういう専門的な、睡眠の神経科学的なメカニズムを研究をして、睡眠学者として、そのコミュニティーの中にいると、睡眠学者としての常識というのがあります。例えば睡眠中も脳は色んな重要なメンテナンスみたいなことをやっていて、ものすごく色んなことが起こってるんです。脳は決して休んでるわけじゃなくて、メンテを一生懸命やっています。だから睡眠ってものすごく大事なんです。あらゆる意味で。ところが一般の方々は、そこの重要性の認識が全然、少なくも日本人は浅いというか、あまり重きを置いてない。二言目には『ショートスリーパーになりたい』という言葉が流行ってしまいます。ショートスリーパーにはちなみになれないんですけど。社会の中での睡眠の捉えられ方と、専門的な常識とのギャップを何とか埋めたいと思って、こういう場も出させていただいて、一生懸命発信しているという感じです」

(Q.これから研究を重ねるなかで、解明をしていきたいことは何ですか)

筑波大学 柳沢正史教授
「解明したいのは、先ほどのししおどしで出てきた“眠気”、水にあたるものです。あれの脳内での正体がちっとも分かっていません。私たちは起きている時間をカウントしています。もう15時間起きてる、もう24時間起きてるから眠いと。当然、だんだん眠くなっていくわけです。それは当たり前なことなんです。眠っている間に、睡眠に対する要求が解消されていく。当たり前なことですけど、そのメカニズムがほとんど何も分かっていません。眠気、水に例えられているものが、脳の中で一体何なのかというのが、まだ理解できていません。カウントするメカニズムも理解できていない。その辺りを解明できれば本望ですね」
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp